油画専攻を退官された小林英樹先生(愛知芸大名誉教授)の本がみすず書房より発売されました。
オランダ時代からオーヴェール時代まで、およそ10年の画業のなかで
ゴッホが求めつづけたのは、絵画独自の平面的な空間表現であった。
ゴッホは決して独学の特異なアウトサイダーなのではなく、
絵画史における正統的な画家である。だからこそ、20世紀の絵画
(フォービスム、キュビスム、表現主義、戦後アメリカの抽象絵画など)
に与えた影響の大きさもまた計り知れない。
絵画の時代の結節点に屹立するゴッホを、その絵画的・造形的要素と
内面性表出の両面から論じ尽くす、スリリングな近現代絵画論。